わたしがVBAを使って集計業務を始める前は、ピボットテーブルもろくに使えないほどでした。今振り返ると、その当時にVBAを取り入れる決意をしたことに、心から良かったと感じています。
VBAを取り入れるきっかけは、みなさんのお仕事事情にもよりますよね。ここでは、わたしがVBAをはじめたきっかけから、VBAを始めて良かったと思えた経験が書かれています。
VBAに救われた私の集計業務
ここから先は、約10年のVBA集計業務に携わってきたわたしの経験をお話ししたいと思います。そして、みなさんがVBAを取り入れるかどうかの参考にしていただければと思っております。
コピペ作業破綻寸前!?
わたしは、企業勤めや自営業を含め、いくつかの職種を経験してきました。ここ15年間は常にExcelやAccessを商売道具としてVBAを使っています。
ただ今でこそ、EUCツールの開発など、集計業務以外の用途でVBAを使っておりますが、15年前からの10年間は、ほぼデータ集計のためだけにVBAを使っていました。
そのExcelを本格的に使い始めた15年程前は、製造業の開発部門の中で、スタッフ900人規模の開発費やリソースに関するデータの管理を一人任されていました。
主には幹部会議で報告する週報や月報を取り纏める仕事をしていたのです。
当時は、Excelの使い方も拙く、データを取り纏めるにも、地道にコピペ&打ち込みをしながら、かなりの時間を掛けて集計していました。
取り纏め役ということで、当時9つあった他部署からのデータを集計、合算して統括部としてのデータをグラフ化し、パワポに報告資料としてまとめていました。
ところが、提出期限に遅れた部署の対応があったり、全体の資料をまとめている最中にちらほらデータの訂正が入ったりと、報告資料の完成までスムーズにいかないことの方が多かった気がします。
それでもなんとか 最初の1年くらいは、 やり過ごせていたのですが、管理するデータ量が増え、上司からは、過去の実績を含めた報告資料を作って欲しいなど、データ集計のバリエーションが増えるようになりました。
そのうち、あのデータの所在は?、どのデータが最新?、どのデータが正しい?というような、データを集計する以前に多くの時間を割かれるようにもなってきたのです。
まずい!このまでは破綻する。。。幹部資料だけに、簡単に出来ませんでは済まされないよなぁ。。。 と、集計業務改革の必要性をヒシヒシと感じていました。
救世主VBAとの出会い
困ったときのグーグル様を頼りに、いろいろとサイトを調べてみると、ExcelにはVBAという、Excelで行う定常処理を自動化させることが出来る標準機能が付いているらしいことを知りました。
ためしに調べた記事に載っていたサンプルコードを、手打ちで転記して実行ボタンをクリックしてみてビックリ。
普段シート上で手作業しているコピペなどの行程が、その実行ボタンのワンクリックで一瞬にして終わってしまったのを見てしまったのです。
その時のコードは、単純で短いコードだったのですが、その時Excelの基本機能による集計業務に限界を感じていた私にとっては、なにかの可能性を感じた気がしました。
VBA導入後の効果は絶大
それからというもの、Excel VBAの初心者向けの書籍で勉強しながら、自身の集計業務に "少しづつ" 取り入れていきました。実務に "少しづつ" 取り入れることで、ほんとに"少しづつ"ですが、すぐ効果が確認できたのです。
「書籍で勉強」⇔「実務に取り入れて効果を確認」を繰り返した結果、約3か月後くらいには、集計業務のコピペなどの手作業によるデータ転記作業すべてをVBAに置き換えることが出来ました。
その具体的効果といえば、
- コピペなどの手作業によるデータ転記ミスが無くなった
- 他部署からの訂正依頼にも柔軟に対応できるようになった
さらに集計時間が一瞬で終わるので、次のような効果もありました。
- 他部署に対する締め切り日をそれまでより先延ばしにできるようになった
- 上司からの資料体裁の変更にも即時対応できるようになった
- スピードと精度が求められるBI資料として活用されるようになった
以上、ここまでわたくしの集計業務経験をお話ししてきましたが、さらに詳しく知りたい方は、「VBA集計業務をおすすめする理由」ご覧ください。
VBA集計業務の有用性
働き方改革推進のために
2019年4月より、段階的ではありますが、大企業から中小企業まで働き方改革関連法が適用されることになりましたよね。
とくにこの法令による長時間労働抑制、有給休暇取得義務などは、少子高齢化による人材不足の影響で業務量が増える労働者・経営者ともに対応が難しいですよね。
また、経営側としても、AIやRPAが人にとって替わるとは言え、コストの問題、導入スピード、効果、適用範囲などの検討時間を考えますと、直近の人手不足にはあまり効果が期待出来ないように思います。
その点、VBAは適用範囲がExcelをはじめとするMicrosoft製品に限られてはおりますが、Officeアプリケーションの標準機能として使えるため、コスト0で今すぐ始められます。
また、いまある集計業務にVBAを適用するために必要なコーディングの時間は、コードの熟練者であれば、簡単な集計業務で半日、BI資料などデータ抽出からグラフ作成などでも1, 2日あればできてしまいます。
このように、VBA集計業務はコストと時間が掛からず、手軽に集計業務効率の改善効果を検証できるのでお勧めです。
そのためにも、できる限り多くの方に、Excelに備わっているVBAの技術を知ってもらい、集計業務で実践して効果を検証してもらいたいと考えております。
また、一人の社員だけでなく、なるべく多くのVBAを使える社員を抱え、その集計技術がしっかり受け継がれている組織ほど、データ集計の処理スピードが上がり、結果として組織の意思決定の速さも増すものと思っております。
VBAを習得して得られるメリット
定常的な集計業務なら、一度VBAでコードを作れば、その後はデータの差し替えだけで、何度でも短時間で精度の良い集計結果を得ることができます。その速さを体験すれば、もうピボットテーブルによる集計作業には戻れません。
事実、わたしはその10年間の集計業務で、ピボットテーブルによる集計を行ったことはありません。(^^;
このように、とくに定期的な報告書(日報・週報・月報)の集計時間を大幅に減らす効果が期待できるのです。
たとえその後に、報告書の内容変更に伴う集計内容の変更があったとしても、該当する部分のコードの書き換えだけで済みますから、この点も大幅な時短になります。
さらに、ありがちな緊急性が高い非定常な報告書の作成業務についても、VBAの習熟度によりますが、Excelの基本機能を使うよりは、ずっとスピーディで精度良い資料が作成できます。
本ブログの特徴
訪問された皆さんに、少しづつでもVBAを実務に取り入れてもらうことが目的ですので、以下の点に注意して記事を記載しています。
- 実務で応用できる基礎的なコードを紹介
- 難しい解説を避け、コードを実際に書き写してもらいながら、VBAに慣れ親しんで、使ってもらえるよう配慮
- Excel操作は問題ないVBA入門レベル、あるいは初心者向けの内容
以上、長文になりましたが、最後まで目を通していただき有難うございました。
この先、VBAの一歩を踏み出すことで、あなたの集計業務にも同じ改革が起こることを願っております。